レモンバーム
別名:メリッサ コウスイハッカ セイヨウヤマハッカ
学名:Melissa officinalis L.
原産地:南ヨーロッパ
気候型:地中海性気候
特徴
ビーバームと呼ばれ、ミツバチを引き寄せる良い香り。高さ30~80cmの多年草。葉は幅広い卵型で、縁に鋸歯があり、軟毛が多くて対生する。レモンの香りの密をもっている。
歴史・エピソード
別名のメリッサはギリシア語でミツバチのこと。レモンバームは2000年以上も前に古代ギリシア人によって蜜源植物として栽培されていた。当時はハチミツが唯一の甘味材料で、レモンバームのハチミツは特においしかったという。ディオスオリデスの『薬物誌』や大プリニウスの『博物誌』をはじめ古くから数々の医学系書物に薬用植物としての記載があり、スイス出身の医師で錬金術師のパラケルススは「若返りの妙薬」や「不老不死の霊薬、万能薬」と呼んだという。世界中に修道院のあるカルメル修道会が17世紀にレモンバームをベースに数種のハーブを加えたリキュール「カルメルのメリッサ水」をつくり、広く知られるようになった。
ハーブティーとしてのレモンバーム
緊張やイライラを改善するとされ、長生きのハーブティーとも呼ばれる。体を冷やす作用が知られるので、風邪のときは温めて飲むと効果的。消化を助けるので食後におすすめ。
成分・精油成分
成分:タンニン、フラボノイド、苦味成分、ロスマリン酸
精油成分:ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、ゲラニオール、β-カリオフィレン、リモネン、ゲルマクレンD、リナロール
作用・効能
作用:鎮静作用、強壮作用、発汗作用、利尿作用、抗ウイルス作用
効能:神経を安定させ、うつ症状や不眠症状の改善に役立つ。血圧を下げ、心拍を正常にする効果があるとされる。風邪の熱を下げ、頭痛、筋肉痛、軽度の胃痛や吐き気を和らげたり、消化を助ける。
ハレの高原におけるレモンバーム
レモンバームは現在住んでいる古民家に引っ越してきた2020年から栽培を始めました。現在の環境にあったハーブのようで、すくすく成長し、越冬もするため初回に栽培を始めたレモンバームはその場所に根付きました。しかしながら、レモンバームは交配しやすいハーブのため、初回に栽培した箇所のレモンバームは香りが薄くなるなど交配の影響を受けてしまったため、それ以降ハーブティー用で栽培を始めたレモンバームは交配させないよう栽培に気を付けています。
製茶時の乾燥方法においても注意が必要で、収穫のタイミングを間違えたり収穫後に急激な乾燥を行うと青臭いハーブティーに仕上がってしまうようです。現在は試行錯誤を繰り返した結果とても風味の良いレモンバームティーを仕上げられるようになりました。
茶葉の販売ページ:レモンバームティー | nature farm ハレの高原 (harenokougen.base.shop)
参考文献:ハーブのすべてがわかる辞典(著者:ジャパンハーブソサエティー)